こあら通信 Vol.22
2023/11/26
乳歯列期の不正咬合のチェックポイント No.5
まず、前回の復習になりますが、いわゆる正常な乳歯列とは正中が一致して、上下切歯が接触し、被蓋が少しある。
歯冠空隙(霊長空隙、発育空隙)がある。
これを頭に入れて、乳歯列期の不正咬合を考えると、
1)閉鎖型乳歯列(2歳~6歳)(スペース不足)
どこにも歯冠空隙が無い。叢生(重なり合っている歯)があるケース。
2)反対咬合(2歳~6歳)(骨格性と機能性)
乳歯列の反対咬合は遺伝的な要因の骨格性のものと、機能的なものの2つがあります。
遺伝的な要因は例えば親が反対咬合で、そのまま成長すると永久歯になると反対咬合になる可能性が高くなります。
機能的な要因は例えば親が正常被蓋であるケースの場合は、上下切歯交換期に改善できる可能性があります。
3)正中の不一致(2歳~6歳)(習癖その他の要因)
乳歯列で正中がズレることはあまりありません。
正中のズレがある場合は、臼歯部の被蓋関係を確認しておくことが必要です。
両親の咬み合わせもチェックして考えます。
4)開口(2歳~6歳)(上下の切歯が咬合していない場合)
明らかに指しゃぶりや舌の突出壁があるケースが多い。
悪習癖が改善されないと難しいです。
5)第一大臼歯萌出時期(5歳~7歳くらいころ)
第二乳臼歯の下に潜り込んでいるケースが多い(萌出の異常)。
6)上下切歯交換期(6歳~10歳ころ)(スペース不足)
スペース不足がある場合に、下顎前歯の叢生とか上顎中切歯の捻転がみられます。
また、スペース不足のために乳犬歯の早期脱落もあります。
なお、萌出位置や方向が悪いと早期接触によって逆被蓋(一歯二歯)になってしまうことがあります。
さらに、開口上顎前突(習癖)もあります。例えば指しゃぶりからの舌突出壁や下唇の巻き込みです。
これは習癖を辞めさせないとなかなか改善が困難となります。
正中の不一致もあります。スペース不足や習癖によって正中がずれます。
例えば片側の乳犬歯の脱落や頬杖によって正中がずれます。
次回は側方歯群交換期(9歳~12歳)のチェックポイントです。
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