口の中にできるがん
2023/11/22
腫瘍には性(たち)の悪いものと良いものがあり、そのうちの悪性のものを一般に癌と呼んでいます。
癌は昭和56年以降、日本人の死因順位のトップとなり現在に至っています。ここで取り上げるのは口の中にできる癌についてです。
口の中で最も出来やすい場所は舌です。全体の半数以上が舌癌です。次に多いのが、舌のつけ根周囲の部位です。
その他に、上アゴの歯肉、下アゴの歯肉、口蓋部、頬の裏側にもできることがあります。丸くふくらんでくるものから、カリフラワー状になるもの、広く板状に硬くなるもの、えぐれたような潰瘍を作るものなど、その形は様々です。
ここで問題となるのは、これらの癌によく似た形の良性腫瘍やその他の病変が数多くあると言うことです。不具合な入れ歯や虫歯などによる外傷性のキズや単純なイボのように、原因を取り除いたり、外科的に切り取ってしまえば、何も残らずに治ってしまう病変が殆どです。
しかし、白斑病という病変に代表される「前癌病変」というものがあります。これは悪性化する率が高い病変で癌そのものと同様に、早期発見、早期治療が重要です。
明らかに癌であっても早期癌であれば、口腔癌の五年生存率はかなり高い割合を示していますので、前癌病変と同じように、早期発見、早期治療が大切です。
治療方法は外科的に切除することが主体となりますが、放射線療法や、薬物療法、またそれらの併用などが行われています。ここでも早期発見ができれば、外科的に切除しても後に残る機能障害が小さくて済むので、きわめて有利です。
いずれにしても、ご自身で、良性であるか悪性であるかを判断できませんで、少しでも心配な症状がありましたら、かかりつけ歯科医か、そこから紹介される専門医の診察を受けてください。
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