口呼吸が歯並びに与える影響とは?口呼吸になる原因や改善方法も解説
2025/11/20
こんにちは、元住吉の歯医者、よしだ・ファミリー・歯科です。
口呼吸には、さまざまな健康問題を引き起こすリスクがあります。
成長期の子どもの場合、口呼吸の習慣が歯並びやあごの発育に悪影響を及ぼすことが知られています。
また、口腔内の乾燥や感染リスクの増加など、生活の質に関わる問題が生じることもあります。
今回は、口呼吸の特徴や原因、リスクや改善方法を解説します。
口呼吸とは
口呼吸とは、本来鼻で行うべき呼吸を口で行うことを指します。
鼻呼吸は空気を適度に温め、湿らせ、異物をろ過する役割を果たしていますが、口呼吸ではこれらの機能が十分に働きません。
その結果、口の中が乾燥しやすくなったり、感染症のリスクが増加したりします。
また、口内環境の悪化や歯並びの乱れといった問題も引き起こしやすくなります。
口呼吸になる原因
鼻づまり
鼻づまりは口呼吸の代表的な原因の一つです。
風邪やアレルギー性鼻炎、慢性の鼻炎などで鼻腔が塞がれてしまうと、鼻からの呼吸が困難になり、自然と口呼吸をするようになります。
特に子どもは、鼻呼吸が難しく口呼吸をしてしまっていると、そのまま口呼吸が習慣になってしまいやすいため、鼻づまりを早めに改善することが重要です。
口周りの骨格
あごの位置や形状も、口呼吸の原因となることがあります。
口周りの骨格は遺伝的な要素もありますが、幼少期の呼吸習慣や姿勢によっても変化するため、早期の対応が大切です。
扁桃肥大
扁桃肥大も口呼吸の原因として知られています。
特に子どもに多く見られる症状であり、扁桃肥大により鼻が詰まりやすくなると、その結果として口呼吸が習慣化することがよくあります。
扁桃肥大は繰り返す感染症やアレルギーの影響を受けることもあり、症状が強い場合は耳鼻咽喉科での治療が必要です。
口周りの筋力不足
口周りの筋力が弱いことも口呼吸の一因です。
口輪筋や頬の筋肉が十分に発達していないと、唇をしっかり閉じることが難しくなり、自然と口が開いた状態になってしまいます。
これにより、口呼吸が促進されるだけでなく、舌の位置も下がりやすくなり、歯並びやあごの成長にも悪影響を及ぼすようになります。
口呼吸によるリスク
歯並びの悪化
口が開いた状態が常態化すると、舌の位置が正しく保てず、前歯が押し出されたり、上顎が狭くなることで歯列が乱れやすくなります。
特に子どもの成長期では、口呼吸によってあごの正常な発育が妨げられ、開咬や出っ歯などの問題が生じることがあります。
睡眠への影響
口呼吸は睡眠の質にも影響を与えます。
鼻呼吸と比べて口呼吸は気道が開きにくく、睡眠中のいびきや無呼吸症候群を引き起こしやすいとされています。
子どもの場合、口呼吸による睡眠障害が集中力の低下や成長ホルモンの分泌不良につながることもあります。
また大人の方の場合も、慢性的な口呼吸は疲労感や日中の眠気を招き、生活の質を下げる原因になります。
感染リスクの増加
口呼吸によって口腔内が乾燥すると、唾液の自浄作用が低下し、細菌やウイルスが増殖しやすい環境になります。
そのため、風邪やインフルエンザ、口内炎などの感染リスクが増加します。
特に子どもや高齢者は感染症にかかりやすいため、口呼吸の改善は健康維持の観点からも大切です。
口腔内の乾燥
口呼吸は、口内の乾燥につながります。
唾液は口の中を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐ役割があるため、口呼吸によって口内が乾燥すると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また口臭の原因にもなります。
顔貌の変化
長期間の口呼吸は、顔の筋肉のバランスの崩れにつながるリスクがあります。
特に成長期の子どもにおいては、将来的な歯並びや見た目に影響を与えやすいため注意が必要です。
口呼吸のセルフチェック方法
まず、普段の呼吸が鼻から行われているか、口から行われているかを確認しましょう。
自然に呼吸をしてみて、口が開いている時間が長い場合や、口を閉じているのが難しいと感じる場合は口呼吸の可能性があります。
また、唇の乾燥度合いもチェックポイントです。唇が乾燥していたり、ひび割れしていたりする場合には、口呼吸をしている可能性があります。
そのほか、起床時に口が乾いている場合や、喉がイガイガする、声がかすれているといった場合も、口呼吸が疑われます。
寝ている間に口が開いているかどうかは、家族に確認してもらうとわかりやすいでしょう。
口呼吸の改善方法
口周りのトレーニング
口呼吸を改善する方法として、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングがあります。
歯科医院で行われるMFT(口腔筋機能療法)は、舌や唇、頬の筋肉を正しく動かすことを目的としたトレーニングであり、舌の位置を正しく保ち、口を閉じやすくすることで自然と鼻呼吸を促します。
口呼吸の原因となる筋力不足を補い、口周りの機能を正常化することが期待できます。
特に子どもの場合は成長に合わせて継続的に行うことで、歯並びや呼吸の改善にもつながります。
耳鼻咽喉科での治療
口呼吸の原因が鼻づまりや扁桃肥大などの疾患にある場合は、耳鼻咽喉科での診察と治療が必要です。
原因や症状に応じて、薬物療法や手術といった治療が行われます。
歯列矯正治療
口呼吸が長期間続き、歯並びに悪影響が出ている場合は、歯列矯正治療が必要になることがあります。
矯正治療で乱れた歯列を正しい位置に戻すことで、口が閉じやすくなり、自然と鼻呼吸に戻りやすくなります。
小児の場合は、成長期の顎骨の発育をコントロールしながら治療を進めることができるため、口呼吸の原因となる骨格的な問題にもアプローチできます。
まとめ
口呼吸には、鼻づまりや骨格の問題、扁桃肥大や筋力不足、幼少期からの癖などさまざまな原因があり、そのままにしておくと、歯並びの悪化や睡眠障害リスク、感染症リスクなどが高まるという問題があります。
また、口周りの印象が変わってしまう原因にもなります。
改善方法としては、口周りの筋力を鍛えるトレーニングや、耳鼻咽喉科での治療、歯列矯正治療が必要です。
何が原因で口呼吸が習慣になっているのかを知り、早期に対策をとることで、口呼吸によるトラブルを未然に防ぐようにしましょう。
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