こんにちは、元住吉の歯医者、よしだ・ファミリー・歯科です。

入れ歯は、歯を失った際の選択肢として多くの方に選ばれています。
しかし、見た目やかみ心地などの問題から、不満を感じる方が少なくないというデメリットもあります。
そこで今回は、インプラントと入れ歯の利点を兼ね備えた「インプラントオーバーデンチャー」について解説します。
ご自身に適した治療法を見つけるための手助けになればと思います。

インプラントオーバーデンチャーとは

インプラントオーバーデンチャーは、インプラントの安定性と、取り外しができる入れ歯の利便性を組み合わせた治療法です。
インプラントオーバーデンチャーでは、顎骨に数本のインプラントを埋入し、それを使用して入れ歯を固定します。
これにより、従来の取り外し式の入れ歯よりも高い安定性が得られます。
また、この治療法は、かむ力が通常の入れ歯よりも天然歯に近いため、食べ物をより楽しむことができます。

インプラントオーバーデンチャーのメリット

安定感がある
インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを用いて入れ歯をしっかりと固定するため、従来の入れ歯よりも高い安定感を得ることができます。
これにより、食事や会話の際に入れ歯がずれたり落ちたりする心配が軽減されます。
特に、食べ物をしっかりとかむことができるという点は、日常生活でのストレスを軽減し、食事の楽しさを変わらず楽しむために大切なことです。

口内の健康維持
インプラントオーバーデンチャーはインプラントを骨に埋め込んで使用するため、咀嚼の際の力がしっかりと骨に伝わり、顎骨がやせにくいという特徴があります。
一般的な入れ歯を長期間使用すると、顎骨が徐々に吸収されて痩せてしまうリスクがありますが、インプラントはこれを防ぎやすいことが特徴です。

取り外しが可能
インプラントオーバーデンチャーは、上部構造の取り外しが可能です。
そのため、口腔ケアがしやすく、清潔な状態を保ちやすいというメリットがあります。

美しい見た目
インプラントオーバーデンチャーはインプラントで上部構造を支えるため、部分入れ歯のようなバネが使われていません。
そのため、見た目の自然さという点でもメリットがあります。また、色調を細かく調整できるため、周囲の歯とも自然に調和します。

インプラントオーバーデンチャーのデメリット

外科手術が必要
インプラントオーバーデンチャーのデメリットは、インプラントを顎骨に埋め込むための手術が必要であることです。
手術後の回復時間や、手術前の詳細な検査が必要となるため、入れ歯治療に比べて時間と身体的な負担がかかります。

保険が適用されない
インプラントオーバーデンチャーは自由診療のため、保険適用の入れ歯治療に比べて高額です。
インプラントの本数や素材、治療の内容によって費用は異なりますが、通常は総費用が70万円から150万円程度となるため、費用面での負担が大きいことがデメリットとして挙げられます。
当院では、インプラント2本+義歯で85万円から90万円ほどで行っております。

定期的なメンテナンスが必要
ほかの治療法にもいえることではありますが、インプラントオーバーデンチャーを長期的に良好な状態で使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
日々のセルフケアはもちろん、定期的に歯科医院を受診しインプラントの状態確認やクリーニングを受ける必要があります。

適応条件がある
インプラントオーバーデンチャーは、すべての患者さんが選択できるわけではありません。
例えば、顎骨の量や密度が不十分の場合はインプラントが適応とならないことがあります。
また、全身の健康状態によっても適応が制限されることがあります。
糖尿病や骨粗しょう症がある方は、歯科医師だけでなく、医師とも詳細な連携が必要です。

オールオンフォーとの違い

インプラントオーバーデンチャーとオールオンフォーは、どちらもインプラントを利用した歯科治療です。
オールオンフォーは、4～6本のインプラントを利用して、その上に前歯から奥歯までが一体となった上部構造を固定することで、失った歯を補います。しっかりと固定されるため、インプラントオーバーデンチャーよりも安定性が高いという特徴があります。
一方、インプラントオーバーデンチャーは、取り外し可能な入れ歯をインプラントで支えるものであり、オールオンフォーに比べて安定性は劣るものの、取り外しができるという利点があります。

入れ歯との違い

一般的な入れ歯は歯ぐきの粘膜や周囲の歯にかけられたバネで支えられており、口の動きによって動いたりずれたりすることがあります。
これに対し、インプラントオーバーデンチャーはインプラントによってしっかりと固定されるため、安定感があることが特徴です。
それにより、入れ歯では感じにくいかみ心地が、インプラントオーバーデンチャーでは得やすいという特徴もあります。
また、費用面でも違いがあります。
通常の入れ歯は保険適用で作成することができますが、インプラントオーバーデンチャーは保険が適用されません。
そのため、インプラントオーバーデンチャーによる治療は費用負担が大きくなります。

インプラントオーバーデンチャーの目安費用

インプラントオーバーデンチャーの費用は、患者さんの口腔内状況やインプラントの本数、材質などにより異なりますが、一般的な目安としては、総入れ歯の場合で70万から150万円程度です。
当院では、インプラント2本+義歯で85万円から90万円ほどで行っております。
自由診療であり、歯科医院ごとに価格設定が異なるため、治療開始前に治療の内容や流れ、見積もりをしっかり提示してもらうことが大切です。
一方、保険診療が適用される一般的な総入れ歯の場合、1割負担で3,000円～5,000円、3割負担で10,000円～15,000円ほどです。

まとめ

インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと入れ歯の利点を組み合わせた治療法であり、安定性と快適性の点でメリットがあります。
しかし、外科手術が必要であり、保険が適用されないというデメリットもあります。
どのような治療法が合っているかは、人それぞれで異なりますので、歯を失った際の治療法を選択する際は、自分自身の性格や生活習慣、予算などをもとに、歯科医師としっかり相談しながら適した治療法を選ぶようにしましょう。