親知らずが斜めに生えているときの影響とは?抜歯の判断基準と注意点を解説
2025/10/20

こんにちは、元住吉駅徒歩3分の歯医者、よしだ・ファミリー・歯科です。
親知らずは、永久歯の中で最後に生えてくる歯です。
周りの歯がすでに生えている状態で生えてくるため、スペースが足りなかったり、隣の歯に重なったりして、まっすぐに萌出できない場合も少なくありません。
そして、半分埋まっていたり、斜めに生えていたりする親知らずは、口の中にさまざまなトラブルを引き起こす要因になります。
今回は、親知らずが斜めに生える原因や、それによって起こるリスク、抜歯の判断基準や注意点を解説します。
親知らずが斜めに生えてくる原因
あごのスペース不足

現代人は、食生活の変化によってあごが小さくなっています。
そのようなあごのスペース不足が、親知らずが本来生えるべき位置に収まりきらずに、斜めや横向きに生えてしまう主な原因の一つです。
生えるスペースがないために、周囲の骨や隣接する歯にぶつかり、斜めの方向へ生えてしまいます。
萌出時期の遅れ
ほとんどの永久歯は小学生から中学生の間に生え揃いますが、親知らずは10代後半から20代にかけて萌出します。
すでに歯並びが出来上がっている状態で割り込むようにして生えてくるため、隣の歯やあごの骨にぶつかってまっすぐに生えられないことがあります。
遺伝

両親から受け継ぐ骨格の特徴は、その子どもにも影響します。
例えば、両親のあごが小さい場合、その子どももあごが小さくなりやすく、歯が並ぶスペースが不足しがちです。
その結果、親知らずが真っ直ぐに生えず、斜めや横向きに萌出することがあります。
親知らずの発育異常
親知らずが斜めに生える理由の一つに、発育段階での異常が挙げられます。
歯は「歯胚」と呼ばれる組織から成長しますが、この歯胚が初めから傾いた状態で形成されると、あごの中で斜めや横向きのまま発育し、萌出してしまうことがあります。
このように発育の過程で方向がずれた親知らずは、虫歯や歯周病を起こしやすく、周囲の歯にも悪影響を与える可能性があります。
周囲の歯の影響
親知らずの生え方は、すでに生えている歯の位置や傾き、かみ合わせの状態にも左右されます。
例えば、奥歯が内側に傾いていると、その方向へと引き寄せられるように親知らずが成長し、結果として斜めに萌出するケースがあります。
また、歯列にすでに乱れがある場合も、親知らずが正しい位置に入り込めず、斜めに向かって生えてしまうことがあります。
親知らずが斜めに生えていることのリスク
虫歯・歯周病のリスク増加

親知らずが斜めに生えていると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
斜めに生えた歯の周囲は歯ブラシが届きにくく、食べかすや歯垢が残りやすくなるためです。
また、親知らずはそもそも歯ブラシが届きにくい口の奥に位置しています。
そのため、たとえまっすぐに生えていたとしても、毎日の歯磨きを丁寧に行わなければ、汚れが蓄積する傾向があります。
智歯周囲炎のリスク増加

親知らずが斜めに生えている場合、智歯周囲炎と呼ばれる炎症を起こしやすくなります。
智歯周囲炎とは、親知らずの周囲の歯ぐきが細菌によって感染し、腫れや痛みが生じる病気です。
斜めに生えて一部だけ頭を出している親知らずは、歯と歯ぐきの間にすき間ができやすく、汚れがたまりやすいため、智歯周囲炎を起こしやすいという特徴があります。
周囲の歯の虫歯リスク増加
斜めに生えた親知らずは、隣の第二大臼歯にも悪影響を与えます。
2つの歯の間には汚れがたまりやすく、歯ブラシも届きにくいため、虫歯が発生しやすくなります。
歯並びの乱れのリスク増加

斜めに生えた親知らずは、隣の歯を押してしまうことで歯並びの乱れを招く恐れがあります。
特に前方へ圧力がかかると、歯並びの乱れが起こりやすくなります。
親知らずの抜歯基準
親知らずは必ずしも抜かなければならないわけではありません。
まっすぐ生えていて周囲に影響を与えていなければ、そのまま残すことも可能です。
しかし、斜めや横向きに生えていたり、歯ぐきの中に一部埋まっていたりする場合には、歯科医院ではレントゲンや歯科用CTを使い、歯の向きや神経との位置を確認しながら抜歯の必要性を判断することになります。
親知らず抜歯の流れ

親知らずの抜歯は、まず歯科医院でレントゲンや歯科用CTを使い、歯やあごの状態を確認することから始まります。
当日は局所麻酔を行い、痛みを感じない状態で処置が進められます。
抜歯自体は、複雑な症例でない場合は数分から十数分で終了しますが、歯ぐきや骨に埋まっている場合は切開や骨の一部を削る必要があり、時間がかかることもあります。
抜歯後は止血のためガーゼをかみ、しばらく安静に過ごします。腫れや痛みが出る場合には、抗菌薬や鎮痛薬が処方されるのが一般的です。
親知らず抜歯後の注意点
喫煙や飲酒を控える

親知らずを抜いたあとは、抜歯後の治癒に悪影響を与えるため喫煙や飲酒を控えるようにしましょう。
数日から1週間程度は喫煙や飲酒を避け、安静に過ごすことが早期回復につながります。
食事や口腔ケア

親知らずを抜歯した後は、食事や口腔ケアにも注意する必要があります。
抜歯当日はやわらかく刺激の少ない食べ物を選び、翌日以降も硬いものや粘り気の強い食べ物は避けるようにしましょう。
また、抜歯直後は患部にできるだけ刺激を与えないよう、やさしく歯磨きやうがいをするようにしてください。
親知らず抜歯後の腫れや痛みについて
親知らずの抜歯後は、多くの方に腫れや痛みが出ます。
特に抜歯後2〜3日間は、腫れや痛みが強く出る可能性が高いため、できるだけ安静にして過ごすとともに処方された鎮痛剤や抗生剤を指示通り服用して症状を緩和しましょう。
また、入浴をしたり運動をしたりすると痛みや出血が悪化する可能性があるため、こういった血流の良くなる行為は抜歯後一定期間は控えるようにしましょう。
まとめ

親知らずが斜めに生えていても、トラブルのリスクが少なければ経過観察で問題ありません。
しかし、痛みや腫れがあったり、虫歯になっていたりする場合には、抜歯を検討することになります。
放置すると周りの歯にも影響を及ぼすことがあるので、痛みや違和感に気付いたらできるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
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