訪問歯科だより(こあら通信) 令和8年 秋号(2)
こんにちは。よしだ・ファミリー・歯科です。
朝晩はだいぶ冷え込むようになりましたね。毎朝、着ていく服を迷う今日この頃です。
「医原性サルコペニア」とは? 誤嚥性肺炎と筋肉の関係
「サルコペニア」という言葉、介護や医療に携わる方には、よく知られている言葉かと思います。サルコペニアとは、加齢や栄養不足、運動不足、疾患などによって、全身の筋肉量や筋力が低下した状態のことです。筋力が弱くなると、日常生活にもさまざまな影響が現れます。
筋力低下による日常生活への影響(例)
握力や足の筋力が弱くなる
歩く速度が遅くなり、横断歩道を青信号の間に渡りきるのが難しくなる
階段の上り下りがつらく、何もない場所でもつまずきやすくなる
ペットボトルのふたを開けにくくなる
ふくらはぎが細くなり、疲れやすくなる
入院によって筋力が減少する「医原性サルコペニア」
近年、医療現場で問題視されているのが「医原性サルコペニア」です。これは、病気の治療や入院中の管理などが影響し、筋肉量や筋力の低下を招く状態を指します。
例えば、誤嚥性肺炎で入院した場合、病状によっては食事を中止する「禁食」や、安静にするためにベッド上で過ごす時間が長くなることがあります。しかし、食事が十分に取れない状態が続き、必要な栄養が不足したり、身体を動かす機会が減ったりすると、筋肉は急速に衰えてしまいます。
特に高齢者は、もともとの筋肉量や体力が少ない場合もあり、入院をきっかけに筋力が低下すると、歩行や食事などの日常生活動作に支障が生じ、退院後の生活にも影響することがあります。
そのため、病状に応じて適切な栄養管理を行うことや、安全に配慮しながら早期に身体を動かすことが重要です。食事の再開についても、嚥下機能や全身状態を評価したうえで、医師や歯科医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士など、多職種で連携して判断することが求められます。
誤嚥性肺炎を予防するために、日頃からできること
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などが誤って気道に入り、細菌などによって肺に炎症が起こる病気です。高齢者では、嚥下機能や咳をする力が低下することで、発症のリスクが高まります。また、誤嚥性肺炎を発症すると、食事や運動が制限されることなどによって、さらに筋力が低下するという悪循環に陥ることもあります。
こうした悪循環を防ぐためには、日頃からの予防が大切です。
口腔ケアを習慣にする
口の中を清潔に保ち、細菌の増殖を抑える
しっかり食べて栄養を確保する
筋肉の維持に必要なエネルギーやたんぱく質を摂取する
無理のない範囲で身体を動かす
筋力や体力の維持につなげる
飲み込みの変化に気づく
むせやすい、食事に時間がかかるなどの変化があれば、早めに医療機関へ相談する
★毎日の口腔ケアは、お口の健康を守るだけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。ご自身やご家族の健康のためにも、お口の状態やお食事にも目を向け、できることから取り組んでいきましょう!
発語のリハビリテーション
言葉を使って人と会話をすることは、高度な脳の機能です。言葉を発する機会が減ると、機能がどんどん低下します。脳卒中などによって脳の言語中枢に障害が起こると、うまく話ができなくなることもあります。また、舌がうまく動かなくなったり、上顎の筋肉が低下したりすることによって言葉が出にくくなることもあります。
舌の動きやくちびるの動きをよくするための発音訓練は、食べることと同時に言葉を話すことのトレーニングにもなります。
「パ、タ、カ、ラ、あー」と大きな声に出して言ってみましょう。発音の訓練になります。
【パタカラ体操】
パ、パ、パ(口唇を閉じる)
くちびるを閉じたり開いたりする訓練
タ、タ、タ(口蓋に舌先をつける)
舌の中央を動かす訓練
カ、カ、カ(口蓋の奥に舌の付け根付近をつける)
舌の奥を動かす訓練
ラ、ラ、ラ(巻き舌にして口蓋に押し当てる)
舌の先を動かす訓練
あー
上あごとのどの筋肉を震わせる訓練
続けることで期待できる効果
食べる機能の向上
噛む力や、食べ物をまとめて喉へ送り込む一連の動きがスムーズになります。
滑舌・発音の改善
唇や舌をしっかり動かすことで、ハッキリとした発音や会話をしやすくします。
唾液の分泌促進
口周りの筋肉が刺激されて唾液が出やすくなり、ドライマウスや口臭、虫歯・歯周病の予防につながります。
表情筋のトレーニング
顔全体の筋肉が使われるため、表情が豊かになり、たるみ予防などの美容効果も期待できます。
★お口の健康を守るため、少しずつでも、出来る範囲でコツコツ続けていきましょう。
医院紹介
よしだ・ファミリー・歯科は、東急東横線元住吉駅の商店街 ブレーメン通りで、『地域の皆様に愛されながら30年』外来診療を続けております。
長年通ってくださっている患者様方の高齢化に伴い、2023年より訪問歯科診療を開始いたしました。
複数の医師・衛生士が在籍し、お困りのことがありましたら、すぐに訪問できる体制を整えております。
口腔ケア
むし歯の治療
義歯の製作や調整
抜歯などの外科処置
口腔機能の改善に向けたリハビリ・嚥下評価
など、ご高齢の方の口腔内における幅広い問題に対応いたします。
ポータブル機器による治療・クリーニング・レントゲン撮影など、外来診療と同様の処置が行え、歯肉の中の状態までしっかりと診断を行います。
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