暑い季節に注意しなければならないものに熱中症と冷房病があります。この二つは相対するもののようですが、原因は気候の「暑さ」にあります。だいぶ一般的になった感がありますが、改めて熱中症と冷房病がどのようなものかをよく理解して予防しましょう！

熱中症

熱中症とは何ですか？

熱中症とは、からだの中と外気の熱さによっていろいろな症状を起こす病的な状態をいいます。

熱中症にはどんなものがありますか？

熱中症には、スポーツ中におこるもの、労働中におこるもの、高齢者におこるもの、乳幼児におこるものなどがあります。また、医学的には熱射病、熱疲労、熱痙攣などと分ける場合もあります。

熱中症はどのようなときに起こりますか？

熱中症は注意していてもなってしまうこともありますが、特に体調の良くないとき、体力の弱いとき、怪我をしているとき、肥満傾向のとき、我慢強いひとなどは注意しましょう。

熱中症はどんなときに起こりやすいですか？

熱中症のおこりやすい環境や活動の条件～日本体育協会～

・前日までに比べ、急に気温が上がった場合・梅雨明けしたばかりの時・気温はそれほどでなくとも、湿度が高い場合（例：気温20℃、湿度80％）・活動場所が、アスファルトなどの人工面で覆われているところや草が生えていない裸地、砂の上などの場合・普段の活動場所とは異なった場所での場合（涼しいところから暑いところへなど）・休み明け、練習の初日・練習が連日続いた時の最終日前後

熱中症の症状および程度はどのようなものですか？

熱中症にはいろいろな分け方がありますが、軽症度、中等度、重症度の三つに分けられます。

軽症度は四股の筋肉の痛みや軽い痙攣、数秒間のめまい感、などです。中等度の症状は、頭痛、疲労感、めまい感、虚脱感、吐き気、嘔吐などが複合して見られます。重症度は意識障害、異常行動、さらにはショック状態になり、ときには痙攣をおこします。

熱中症を予防するための気温の目安は？

熱中症は単に気温の程度だけではなく湿度との関係も重要ですが下記のような気温を目安にしてください。～日本体育協会～

～24℃まで（ほぼ安全）

通常は熱中症の危険は少ないが、水分の補給は必要。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意する。

25℃～28℃まで（注意）

熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意しながら、運動の合間に積極的に水分を補給する。

29℃～31℃まで（警戒）

熱中症の危険が増すため、積極的に休息をとり、水分を補給する。激しい運動では30分おきくらいに休息をとる。

32℃～35℃まで（厳重警戒）

熱中症の危険が高いので、激しい運動や持久走などは避ける。体力の低いもの、暑さに慣れていないものは運動中止。運動する場合は積極的に休息をとり、水分補給を行う。

35℃～（運動は原則中止）

皮膚温度より気温のほうが高くなる。特別の場合以外は運動を中止する。

熱中症にならないためにはどうしたらよいですか？

熱中症にならないために次のようなことに注意してください（日本体育協会）

・内容を知って防ごう熱中症

・暑いとき、無理な運動は事故のもと

・急な暑さは要注意

・失った水分と塩分を取り戻そう

・体重で知ろう健康と汗の量

・薄着ルックでさわやかに

・体調不良は事故のもと

・あわてるな、されど急ごう救急処置

冷房病

冷房病とは何ですか？

冷房病は冷房をした部屋に長時間いたときに、からだの体温調節が悪くなり、いわゆる自律神経失調症状態になることをいいます。つまり、暑いときは血管が拡張して発汗してからだの熱を放散させようとします。一方、冷たい風に当たっているとからだの血管が収縮して発汗を抑えて体温が下がらないようにはたらきます。この二つのバランスがうまくいかなくなった状態が冷房病です。

冷房病はどんな症状になりますか？

冷房病はいろいろな症状が出ます。からだの冷えを感じ、だるさ、しびれ、むくみ、肩こり、神経痛、腹痛、食欲不振、便秘、月経異常、イライラ、頻尿、などです。

冷房病にならないためにはどうしたらよいですか？

冷房病の予防として次のようなことに注意しましょう。

・部屋の冷房の温度を28度くらいに設定する

・冷房した部屋に長時間いる場合は、膝掛け、靴下、上着などで防寒する

・時々部屋の換気をする

・定期的に部屋を出る

・時々軽い体操をする

・体温を暖める飲食をする

これらのことに注意して冷房病を防ぎましょう。