子どもの歯並びが心配?乳歯期から始める矯正治療の必要性を解説
2026/07/20
こんにちは、元住吉の歯医者、よしだ・ファミリー・歯科です。
矯正治療は「大人になってからでも遅くない」という意見もあれば「早めに始めたほうが良い」という意見もあり、いつから始めればいいのか迷っている保護者の方は多いのではないでしょうか。
今回は、子どもの歯並びの問題、乳歯期や混合歯列期から始める矯正治療のメリット、治療を開始するタイミングについて解説します。
子どもの歯並びの問題
叢生
叢生は、歯が重なり合ったり、前後や斜めにずれて生えたりしている状態です。
乳歯は永久歯よりも小さいため、乳歯がすき間なくぴっちりと並んでいる場合は、将来的に永久歯が生える場所が足りず、叢生になる可能性が高くなります。
上顎前突(出っ歯)
上顎前突は、上の前歯が前方に突出している状態です。
一般的に出っ歯と呼ばれ、上のあごが過度に発達している、下のあごの発達が不足している、指しゃぶりや舌を前に出す癖がある場合などに起こります。
見た目の問題だけでなく、前歯で噛めない、口が閉じにくいといった機能的な問題も引き起こします。
下顎前突(受け口)
下顎前突は、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。
受け口や反対咬合とも呼ばれ、下のあごが過度に発達している場合や、上のあごの発達が不足している場合に起こります。
乳歯期の軽度の受け口は、成長とともに改善することもありますが、骨格的な問題がある場合は、放置すると下顎の成長が進み、症状が悪化することがあります。
開咬
開咬は、奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない状態です。
指しゃぶり、おしゃぶりの長期使用、舌を前に出す癖などが原因で、上下の前歯の間に隙間が開いてしまいます。
幼少期に原因となる癖を改善することで、予防や早期改善が可能です。
過蓋咬合(ディープバイト)
過蓋咬合は、噛み合わせが深すぎる状態です。
奥歯への負担が大きく、将来的に歯を失いやすくなる可能性があります。
交叉咬合
交叉咬合は、上下の歯の噛み合わせが左右にずれている状態です。
上の歯は下の歯に対して外側に重なるのが正常ですが、交叉咬合では部分的に下の歯が上の歯よりも外側に出ています。
混合歯列期の矯正治療
混合歯列期とは
混合歯列期は、乳歯と永久歯が混在している6歳頃から12歳頃までの時期のことです。
この時期はあごの成長が活発で、成長を利用した矯正治療が可能です。
一期治療(早期治療)の目的
混合歯列期に行う矯正治療を一期治療と呼びます。
この時期の治療目的は、あごの成長を正しい方向に導くこと、永久歯が生えるスペースを作ること、悪習癖を改善することです。
あごの成長を利用することで、将来の外科手術を回避できたり、治療を簡略化できたり、将来の抜歯矯正を避けられたりする可能性があります。
一期治療で使用する装置・治療法
床矯正装置
取り外し可能なプレート型の装置で、真ん中のネジを定期的に回すことであごを少しずつ広げ、永久歯が並ぶスペースを作ります。
主に上あごに対して使用し、夜間や自宅で過ごす時間に装着します。
ヘッドギア
上あごの過度な成長を抑えたり、奥歯を後ろへ移動させたりするために使います。
頭や首に固定するバンドと口の中の装置を連結させる仕組みで、主に夜間に装着します。
マウスピース型筋機能訓練装置
やわらかいシリコン製の装置で、日中の短時間と夜間に装着します。
口周りの筋肉のバランスを整えることで、正しい舌の位置を覚えさせたり、口呼吸を改善したりする働きがあります。
部分的なワイヤー矯正
前歯だけにブラケットとワイヤーを装着し、特定の歯を少しずつ動かす手法です。
交叉咬合などを改善する際に用いられます。
筋機能療法(MFT)
筋機能療法は、舌や口の周りの筋肉を正しく機能させるためのトレーニングです。
舌の位置が低い、口呼吸をしている、飲み込み方に問題があるといった場合に、舌を上顎に押し当てる練習や、正しい飲み込み方の練習などを行います。
これらの訓練を続けることで、悪い癖が改善され、歯並びへの悪影響を減らすことができます。
二期治療とは
一期治療であごの成長や癖の改善を行い、すべての永久歯が生え揃った段階で行うのが二期治療です。
通常12歳から14歳頃に開始します。
この時期の治療内容は、基本的に大人の矯正治療と同じで、すべての歯にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かします。
あらかじめ一期治療を行っておくことで、二期治療自体が不要になるケースもあります。
また、もし二期治療が必要になった場合でも、治療期間が短縮されたり、抜歯をせずに治療できる可能性が高まったりするメリットがあります。
早期治療のメリット
あごの成長を利用できる
子どもの矯正治療のメリットは、成長を利用できることです。
上顎は10歳前後、下顎は思春期にかけて成長します。
この時期に治療をすることで、骨格的なバランスを改善できます。
抜歯の可能性を減らせる
スペースが不足している場合、大人になってから矯正治療をすると、小臼歯を抜歯することが多くなります。
しかし、成長期にあごを拡大したり、奥歯を後方に移動させたりすることができれば、抜歯をせずに歯並びを整えられる可能性が高くなります。
悪習癖を早期に改善できる
指しゃぶり、舌突出癖、口呼吸などの悪習癖は、放置すると歯並びに大きな影響を与えます。
早期に気づいて介入することで、これらの癖を改善し、歯並びへの悪影響を抑えることができます。
治療費用と期間
一期治療の費用
使用する装置や治療期間により異なりますが、一期治療の費用は一般的には30万円から50万円程度が目安です。
基本的に矯正治療は自由診療ですが、厚生労働省が定める特定の疾患や顎変形症に該当する場合は、保険適用となるケースもあります。
また、歯科医師が「機能回復を目的とした治療」と認めるものであれば医療費控除の対象となり、確定申告を行うことで所得税の還付を受けられる場合があります。
二期治療の費用
二期治療の費用は、一般的に60万円から100万円程度が目安です。
使用する装置の種類や治療の難易度によって変動し、マウスピース型矯正装置や舌側矯正(裏側矯正)を選択した場合は、費用が高くなる傾向があります。
治療期間
一期治療の期間は、一般的に1年から3年程度です。
あごの拡大といった限定的な処置であれば比較的短期間で済みますが、骨格的な問題の改善には時間を要します。
また、続いて行う二期治療は、通常2年から3年程度となっており、その後に歯並びの後戻りを防ぐための保定期間として、さらに2年程度が必要です。
まとめ
子どもの歯並びの問題は、早期に発見して対応することで、将来的な負担を予防・軽減することができます。
ただし、すべての歯並びの問題に早期治療が必要なわけではありません。
症状の種類や程度、年齢、協力度、全身の健康状態などを総合的に評価し、個別に判断する必要があります。
歯並びにお悩みがある場合は、遠慮なく歯科医師にご相談ください。
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